Commercial – Ise Geku Sando Retail

 

伊勢 外宮参道貸店舗プロジェクト
Convenience store design project in a historical area, Ise

伊勢神宮に通じる外宮参道の伝統的な町並みに調和しつつ、参道の景観形成に寄与する象徴性を備えた木造店舗の設計である。外観は大きな切妻の大屋根を特徴とし、木質感を前面に打ち出した構成とすることで、周辺環境との調和を図っている。CLTの表層を焼杉加工し、構造材および外壁材として用いた貸店舗(コンビニエンスストア)である。

参道を歩きながら、想像してみた。企業のロゴや現代的な外観を持つ店舗がここにあったら違和感を覚えるに違いない・・と。現代社会では、チェーン店特有の均一的な店舗の規格、工期短縮などの効率化が優先され、街並みやその土地の歴史的背景が切り離された事業計画となる傾向にある。しかしながら、効率化優先することにより、その土地の魅力が徐々に失われ、結果的に経済的な減収を生む要因を作っているのではないだろうか。私たちは街での全体的な統一感を大事にし、街に溶け込み外宮参道の賑わいに貢献するデザインを目標とした。参道側の外部木質化空間は、人々が自然に立ち止まり、滞留や交流が生まれることを想定した。この空間で休憩してもらい、そこから更に参道のお店に立ち寄ってもらうきっかけともなる。
外壁は施主から「焼杉にしたい」との要望があり、施主自らCLTの表面を焼き、施主・施工者・設計者が三位一体となり、施工の計画を進めた。

外宮参道に面した今回の用地は、地元発展会からも地域景観との調和に対する意匠性への強い要望があり、一方、店舗を運営する側からは自由度の高い無柱空間や短工期といった要件があった。今回試みた焼杉CLTパネルにより、構造性能・意匠性・断熱性能・耐候性・施工性が一体化されることで、これら多くの要望を高次元で実現することが可能となった。これは、CLTが生み出す高い空間自由度による店舗競争力の確保と地域特有の景観やまちなみとの共生を意味し、多くの商業エリアにおいて、木質構造を活かした店舗計画の参考モデルになり得る。特に、これまで「屋外現し」が困難だった施工条件下における一手法として、焼杉CLTパネルは革新的なブレイクスルーをもたらす可能性があると考えている。

敷地面積 725.46㎡
建築面積 258.25㎡
延床面積 235.06㎡
階数 地上1階
構造 CLTパネル工法 一部木造軸組構法
工期 2025年12月~2026年5月